携帯日記

すこしギャルの子がいたんだ

化粧つけて

香水もつけて

学校にいつもそうしてくるんだ

いる世界が違うんだなあって

いつも思ってた

そのギャル子と友達になった

好きなゲームが一緒で

今度一緒に遊ぼうよって

ケーブルで通信することになった

ギャル子の家で遊ぶことになって

学校で待ち合わせした

15分も早く行ったのに

ギャル子はもうそこにいた

はやいねって言った

ギャル子はアンタもって切り返す

あれ

ギャル子から香水の匂いはしなかった

目とか眉毛

ちゃんと見ると

化粧もつけてない

今日はお化粧しないんだねえって

ギャル子に言った

友達と遊ぶときに化粧なんかしないよ

ギャル子は笑いながら言う

とっても嬉しくて

思わず笑った

ギャル子のお家はきれいだった

けど

ギャル子のお部屋だけは

宝箱をひっくり返したように

ゲームとか漫画とか

おもちゃとかラジオとか

剥き出しになってたのに

香水とか化粧なんかは

ぜんぜん見あたらなかった

ずうっとゲームで通信やってて

クリアできないとことか

自分しかしらない裏技とか

お互いに教えあった

途中でギャル子のお姉ちゃんがきて

一緒に絵とかかいたりしてあそんだ

帰りはすっかり遅くなって

ギャル子のお姉ちゃんが

車で家の前まで送ってくれた

明日からまたお化粧してくるの

ううんもういいや

じゃあ明日からしないの

うんしないことにする

どうして

かっこわるいからかな

それきり

ギャル子は不登校になって

教室にこなくなってしまった

違う学校にいっちゃった

お別れ会もこなくて

でも

それから数日たって

小包がギャル子から届いた

中にはあの時あそんだ

通信ゲームのソフトだけがはいってた

ほんのすこし

ソフトからは香水の匂いがした

データが100パーセントになってて

びっくりした

もうギャル子は

お化粧とらないんだろうなあって



ちょっとだけ

悲しくなった

げんきでね



げんきでね