この世界のどこか。
誰かの名前を書いた瞬間に、
その人が自分を「思い出す」短冊がありました。
老婆はやっとの思いで短冊を手に入れました。
小さい頃に遠く離れ離れになってしまい
それからというもの
ずっとずうっと会いたかった人がいるのです。
老婆は短冊にその人の名前を書
こうとして、やめました。
それはとても簡単な事でした。
老婆は気がつきました。
朝に目が覚めて、
ふとした時に思い出して、
夜夢を見る前に、
いつもいつだってその人のことを「思い出す」のです。
老婆は短冊を手放しました。
笹の葉さらさら
天の川は今日も明日も綺麗です
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